序文 |
これは、国際認定ラクテーション・コンサルタント協会(ILCA)が発行した国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)の業務の基準の第3版である。
現在認定を受けて IBCLC として業務をしている者は、クライアントやクライアントの家族や医療専門家とのすべとのかかわりにおいて、ここに示す業務基準と
IBCLCの倫理規範を守らなければならない。 ILCAはラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会(IBLCE)が授与する認定を、ラクテーション・コンサルタントの世界的な専門職資格証明であることを承認している。
専門職としての中核的責務は人々に対し質の高い実践とサービスを提供することである。業務基準は、業務を遂行し評価するための規範となる指標と水準を示している。
業務基準は
- 共通の系統だったアプローチを促し一貫性のある業務を推進させる。
- 毎日の業務に具体的に役立つ個別的内容である。
- 方針や、教育プログラムやよりよいサービスを発展させるための望ましい枠組みを提供する。
- 様々な業務状況や施設、および様々な文化においても使えるように意図されている。
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基準1: 専門的責任 |
IBCLCは、専門職としてふさわしい倫理的な業務を行う責任があり、IBCLCとしての専門的な行動に対し責任があり、また法律を守る責任がある。
1.1 これらの業務基準とIBCLCの倫理規範を遵守する。
1.2 「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」と世界保健総会のその後の決議を視野に入れた業務をする。
1.3 業務上のすべての状況において、特に母乳育児用品のレンタルもしくは販売およびサービスによって
利益を得る場合は、利益相反(conflict of interest)が生じるという自覚を持ち続ける。
1.4 母乳育児をしている女性、乳児、子どもの擁護者になる。
1.5 母親が子どもと「母乳育児の関係」(breastfeeding relationship)を保てるように援助する。
1.6 ラクテーション・コンサルタントの業務のための知識を維持し伸ばすために、専門的な継続教育を受講する。
1.7 自身の臨床的な業務について定期的に体系的な評価を受ける。
1.8 母乳分泌と母乳育児に関する優れた研究をサポートし促進する。そして、可能な限り、
そうした研究に基づいて臨床的な業務にあたる。
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| 基準2: 法的考慮 |
IBCLCは、自分が居住し業務を行う地域の法律に従って業務をする義務がある。クライアントのプライバシーを守る権利を考慮し、守秘義務のある問題を尊重しながら業務を行わなければならない。
2.1 雇用されている施設の方針と手順の範囲で働く。自分で開業している場合は、自分で守るべき
方針と手順をきちんと決め、それに従う。
2.2 ケアをする前に適切な料金について明瞭に提示する。
2.3 以下のことをする前に、すべてのクライアントから同意書を得る。
- アセスメント、または援助の実践(介入)をする場合
- かかりつけの保健医療従事者やその他の保健医療専門家に関連情報を報告する場合
- いかなる目的においても写真を取る場合
- コンサルテーション(相談)に関連した情報を出版しようとする場合
2.4 常にクライアントの秘密を守る。
2.5 職場で法的倫理的業務における記録を保持する。
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| 基準3: 臨床的業務 |
IBCLCの臨床業務は、臨床的な母乳育児のケアとマネージメントを提供することに焦点を当てている。これらは、それはクライアントや保健医療チームの他の専門家と協力してあたる系統的な問題解決方法を通して、最適な健康を促進することによって最も良く成し遂げられる。IBCLCの役割には以下のことが含まれる。
- 様々な状況におけるアセスメントや計画や援助方法(介入)やケアの評価。
- トラブルを予測したガイダンスとトラブルの予防。
- ケアについて、時期を逸せずに完全で正確な記録を文書に残すこと。
- 他の保健医療専門家とコミュニケーションをとり、協力し合うこと。
3.1 アセスメント
3.1.1 母乳育児をしている母と子に関した適切な母乳育児歴を得て、記録する。
3.1.2 客観的、主観的な情報を系統的に収集する。
3.1.3 母親と話し合って、適切なアセスメントに関する情報はすべて記録する。
3.2 計画
3.2.1 心配ごとや問題を判別するために、アセスメントで得た情報を分析する。
3.2.2 判別した心配ごとや問題をもとに、ケアの計画を立てる。
3.2.3 必要な追跡評価を計画する。
3.3 実施
3.3.1 状況に適切で母親に受け入れられる方法でケアの計画を実行する。
3.3.2 必要に応じて通訳を利用する。
3.3.3 理想的な健康、安全、そして普遍的予防策(ユニバーサル・プリコーション)*の原則を実行する。
【訳者注】普遍的予防策(ユニバーサル・プリコーション:universal precaution)とは、1985年にCDC(the Conters
for Diseasc Control and Prevention)によって提唱された疾患非特異的な隔離法であるが、1996年にCDCから刊行された「隔離予防策ガイドライン」においては、標準予防策(スタンダードプリコーション:standard
precaution)と感染経路別予防策(transmission-based precaution)に置き換えられている。
3.3.4 これから行う援助方法(介入)、手順、技術についての説明を口頭や文書で適切に行い、
(もしくはそれに加えて)実例による説明をする。
3.3.5 必要な場合、他の保健医療専門家、地域のサービス、サポートグループに紹介をする。
3.3.6 器具を適切に使用する。
- 不必要な使用、必要以上に使うことを避ける。
- 清潔に安全な状態で使うように確認する
- 推奨している使用についてのリスクと利益について、経済的な視点も含めて話し合う。
- 器具の適正な使用法と手入れの仕方について実例による説明をする。
- 使用の際の安全性や効果を評価する。
3.3.7 適切な場合、保健医療従事者に文書で以下について報告を書く。
- アセスメント情報
- 提案した援助方法(介入)
- 与えた指示
- 結果の評価
- ケア計画の変更
- フォローアップの方法
3.4 評価
3.4.1 計画した援助方法(介入)の結果を評価する。
3.4.2 計画の評価によって計画を修正する。
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| 基準4: 母乳育児教育とカウンセリング |
母乳育児教育とカウンセリングはIBCLCが提供するケアに不可欠なものである。
4.1 親や家族に乳幼児の栄養法についての情報提供された上での選択を促す教育をする。
4.2 受講者の文化、質問、関心事に気を配り、実際的な問題解決的アプローチを活用する。
4.3 トラブルを予測したガイダンス(情報提供)を行い
- 最適な母乳育児の方法(optimal breastfeeding practices)を促進する。
- 母乳育児の問題を起こしたり悪化させたりする可能性を少なくする。
4.4 特にむずかしい状況や複雑な状況で母乳育児を続けるための前向きな働きかけ(positive
feedback)や
精神的な支援(emotional support)をする。
4.5 他の保健医療従事者に科学的な根拠に基づいた最新の情報と臨床技能を伝え、協力し合う。
第3版 (2005年)一部修正して2006年に発行。
©2005,2006 International Lactation Consultant Association www.ilca.org
(訳:本郷寛子、井村真澄、光岡由美、2007年)
2005年10月 ILCA理事会によって承認。内容を変えない限り自由にコピーして配布可能。
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