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倫理規範はラクテーション・コンサルタントとしての専門的業務と専門職にふさわしい行動の指針を示しており、ラクテーション・コンサルタントという専門職およびそのサービスを受ける人々に最大の利益をもたらす。これらの倫理的原則は、専門職としての在り方の指針となり、ラクテーション・コンサルタント自身、クライアント、同僚、社会、専門職の貢献責任と義務の概要を示している。

ラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会( International Board of Lactation Consultant Examiners, 以下 IBLCE と略)の目的は、資格認証に必要な条件を確立し、資格認証を実施し、資格付与のための必要条件を満たしている個人に証明書を発行することによって、公共の健康、安全、福祉を守ることにある。
IBLCE は、国際認定ラクテーション・コンサルタント、あるいは国際認定ラクテーション・コンサルタント(以下 IBCLC と略)の肩書きを持つすべての個人に適用するためにこの倫理規範を承認している。
職務上の倫理規範
IBCLC は、個々のクライアントの利益を守り、この専門職に寄せられる公共の信頼に応え、この専門職の評価をより高めるように行動しなければならない。
IBCLC は、各自の仕事に説明責任を持ち、専門職としての説明責任を果たす場合に、以下のことを遵守しなければならない。
  1. 客観的に、しかも個々人の独自なニーズと価値観を尊重しながら、専門的なサービスを提供しなければならない。
  2. 人種、民族、宗教、性別(ジェンダー)、性的指向、年齢、国籍を理由にいかなる人をも差別してはならない。
  3. 誠意を持って専門的な仕事をまっとうしなければならない。
  4. 正直に真摯に公平にふるまわなければならない。
  5. ラクテーション・コンサルタントという専門職の目的を満たし、その誠実さを維持するにあたり、利益相反があってはならない。
  6. 守秘義務を遂行しなければならない。
  7. 科学的な原理、最近の研究、最新の情報に基づいて業務を行わなければならない。
  8. 業務における自分の能力に責任を持ち、義務を負わなければならない。
  9. 自分の資格の限界を認識し、その限界内で、専門的な判断をしなければならない。自分の限界を超える場合は、しかるべき専門家に相談したり照会したりしなければならない。
  10. 自分のサービスに関して、人々や同僚に事実に基づいた情報を提供しなければならない。 IBCLC は、偽りの宣伝、あるいは誤解を招くような方法で宣伝してはならない。
  11. クライアントが、情報公開された上での選択ができるように、十分な情報を提供しなければならない。
  12. (母乳育児を援助するために)適切な製品について、偽りがなく誤解を招かない方法で情報を提供しなければならない。
  13. ラクテーション・コンサルタントとしてのサービスを提供するときにのみ、ラクテーション・コンサルタントと称してよい。
  14. 専門的資格認定および証明書は正確に提示し、初回の認定および IBLCE によって正式に認定更新(訳者注:初回認定後5年毎に資格認定の更新が必要)されているときのみ、 IBCLC という称号を使ってもよい。                   また、ラクテーション・コンサルタントは、他の人が IBCLC としての条件違反をすることを援助したり、他の人が IBCLC でもないのに IBCLC であるかのように称したりすることを援助した場合も懲罰措置が科せられる。。
  15. 同僚(他の IBCLC )の健康や安全が危機的な状況にあると思われる場合、例えば業務やケアの水準が保たれない状況にある場合は、適切な人または当局に報告しなければならない。
  16. 現在かかっている患者またはクライアントから、賄賂に相当する贈り物、接待は断らなければならない。
  17. 商品やサービスを提供する関連団体(企業)との間で、金銭的または他の利益相反の可能性があれば、それを開示しなくてはならない。いかなる商業的対価によっても専門的な判断が影響を受けてはならない。
  18. 立証された情報を提示し、賛否両論のある情報については、正当な異論があることを認識し、個人的な偏見を持たずに解釈しなければならない。
  19. 以下のような場合には専門的な仕事から自分で身を引かねばならない。仕事に影響する可能性がある薬物乱用をしていた場合、法廷で精神的に判断能力がないと判断されている場合、そしてクライアントに悪影響を及ぼす情報障害や精神障害がある場合。
  20. 教育的または専門的な目的で母親や赤ちゃんの写真を撮影したり、録音や録画をする場合は、母親からの同意を得なければならない。
  21. 次のような場合は、懲罰措置の申請をしなければならない。
    自分の国の法律で重罪、軽犯罪を問わず有罪が確定した場合で、その主要な罪状が不正行為であり、母乳カウンセリングの業務に関連のある場合。
    国、地方自治体の法律によって懲罰され、少なくともその懲罰の理由の一つが、ここで規定されている倫理と同様のものである場合。
    専門職の仕事に直接関連した不法行為、違法行為に及んだことに関して、しかるべき裁判所、認定組織、公的機関の判断で有罪とされた場合。
    違反があった時点の版の IBCLC 倫理規範にその違反事項が明記されている場合。
  22. IBCLC の倫理規範を遵守し、ラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会( IBLCE )の決められた審理・審査過程を通して、倫理違反の申し立てを報告することによって、社会、および LC という専門職を保護する義務を受け入れなければならない。
  23. 医師または他の保健医療関係者と臨床的な問題や情報を共有することに関して、コンサルテーションを開始する前に、クライアントに同意を求め、同意を得なければならない。
  24. 「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」 の中の医療従事者に関係している条項を遵守しなければならない。
  25. 著作権(書かれたもの、写真、スライド、イラストなどの著作権)、商標登録マーク、サービスのマーク、特許を含む知的財産権について理解し、認識し、尊重し、認知しなけらばならない。
2000年改訂  2003年改訂(新しく追加された条項25は、2004年12月1日発効)
 
苦情を訴えるために
IBCLC は、その認定を持つ者への人々の信頼に応え、この専門職の評価を高め、個々のクライアントの利益を守るように行動しなければならない。
この認定資格を保護し、認定者が責任ある業務を行うため、 IBLCE の懲罰委員会によって調査される可能性のある事柄を IBLCE に報告するのは、個々の IBCLC 、責任者である医療保健専門家、雇用主、一般の人々である。
苦情は必ず署名入りの書類に書いて提出しなければならない。匿名の通報は受理しない。 IBLCE は、事実に基づいた問題のみに関わり、被告(訴えられた IBCLC )の側が、専門的に合法的に弁護する機会を与える。懲罰委員会への通報に該当する苦情は、以下に郵送すること。
    IBLCE,Chair of the Discipline Committee
    7245 Arlington Boulevard., Suite 200
    Falls Church VA 22042-3215 USA

通報や苦情は、地域のオフィス(日本の場合はオーストラリア)に送ってもよい。その後に懲罰委員会に転送される。

(訳:本郷寛子、井村真澄、井岡由美、2007年5月)